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AEOに9割が着手。それでも専任の担当を置く会社は15%未満

米GNW ConsultingとDemand Metricが225人のBtoBマーケ・レベニュー責任者に聞いた調査で、92%がAEOを試行または運用中でした。一方、専任の担当や組織を置く会社は15%に届きません。

文:Growth AX 編集部 読了 3分

AEO(AI検索で引用されるための最適化)は、米国のBtoBマーケティングでは「試すかどうか」の段階を過ぎました。2026年6月に公表された調査では、9割を超える会社がすでに手を付けています。ところが、その仕事を専任で持つ人や組織がある会社は、まだ少数です。

何が起きているか

調査を行ったのは、マーケティング運用の支援会社GNW Consultingと、調査会社Demand Metricです。対象はBtoBのマーケティングとレベニュー部門の責任者225人。報告書の題名は「2026 State of Generative Engine Optimization in B2B Marketing」で、AEOをGEO(生成エンジン最適化)と呼んでいます。

まず普及の度合い。回答者の92%が、AEOを試している、または業務として回していると答えました。AEOに投資している会社のうち78%は、測定できる成果が出ていると回答しています。マーケティング予算の5%超をAEOに充てている会社は、それ以下の会社より大きな効果を報告しました。

AI経由の流入も、一部の会社では無視できない量になっています。回答者の22%が、サイト訪問の5%超がAI経由だと答えました。同社は業界の一般的な目安を1%未満としており、それと比べると大きな数字です。

一方で、体制は追いついていません。AEOの専任の担当者やチームを置いている会社は15%未満でした。外部の支援も玉石混交です。SEO支援会社の88%がAEOのサービスを提供していると称し、そのうち37%は中身の定義があいまいだとされています。

なぜ担当が決まらないのか

AEOは、1つの部署に収まらない仕事です。AIの回答に自社が載るかどうかは、自社サイトの書き方だけで決まりません。業界メディアでの言及、レビューサイトの評価、導入事例、価格の公開、営業資料の中身まで影響します。SEOの担当、広報、プロダクトマーケティング、営業企画。どこが持ってもおかしくない分、どこも持たないまま試行が続きます。

GNWの創業者でCEOのRaja Walia氏は、AEOが「すでに市場の転換点に達した」と述べ、探索から実行の段階に移ったと位置づけています。共著者で同社の最高戦略責任者Andrea Lechner-Becker氏は、新しいマーケティング分野で説明に耐える投資対効果が出るまでには普通2〜3年かかると指摘しました。そのうえで、AEOを実験として扱う会社は、規律ある業務として扱う会社にシェアを奪われていると述べています。

数字の読み方には注意が要ります。この調査は、AEOの支援を事業にする会社が実施したものです。成果の有無も回答者の自己申告で、調査の実施時期や測定方法の詳細は、発表文には書かれていません。普及率や成果の数字は、そのまま自社の目標にするものではありません。読み取るべきは「多くの会社が手を付けたが、持ち主のいない仕事のまま回している」という構図です。

日本の事業責任者にとっての意味

日本のBtoB事業でも、AEOは「Webの担当者が空き時間にやる施策」として始まりがちです。米国の調査が示すのは、その形のままでは成果の説明がつかず、予算も伸びないということです。

最初に決めるのは、持ち主です。新しく専任を雇う必要はありません。既存のマーケティングかWebの担当者のうち1人を、AEOの責任者として名指しします。その人に、営業とプロダクトの情報を集める権限を渡すことが要点です。AIに載る材料の多くは、営業資料や導入事例、価格の考え方といった、マーケティングの外にあるからです。

次に、測る項目を3つに絞ります。主要な質問をAIに投げたときに自社が挙がる割合、AI経由の訪問数、そこからの問い合わせ数。この3つを月に1回、同じ質問で記録すれば十分です。測り方が決まっていないうちに、ツールを買う必要はありません。

外部に頼むときは、何をするのかを具体的に聞きます。対象とする質問の一覧、直すページ、成果の測り方。この3点に答えられない提案は、37%の「定義があいまいなサービス」の側にあると見てよい。SFAやMAを入れたときと同じく、ツールや外注を先に決めると、持ち主不在のまま費用だけが残ります。