米シアトルの営業支援ツール大手Outreachは2026年4月27日、春の製品発表「Spring 2026 release」を行いました。柱は対話型AI「Outreach Omni」と、エージェントを組み立てる「Agent Studio」です。
発表の中身
Omniは、営業担当から管理職、経営層までが使う対話型のAIです。一つの会話の中で質問し、追加で問い、相手の懸念に答えるメールの下書きまで進められます。SlackとOutreachのモバイルアプリで使えます。同社は今後、Omniで実行できる操作を増やし、よく使う対話の流れを定期的に動く個人用エージェントに変えられるようにするとしています。
Agent Studioは、RevOps(営業・マーケティング・CSの運用を設計する役割)向けの機能です。画面上で部品を並べ、用意されたひな形を使って、独自のエージェントを作り、動く日時を設定できます。
社内の承認済み資料にAIの回答を結びつける「Outreach Knowledge」も加えました。製品資料やメッセージ集を参照先にすることで、AIが勝手な説明をしないようにする仕組みです。
エージェントも増えました。会議の前に担当者と管理職へ要点をまとめて渡す「Meeting Prep Agent」、案件の項目の更新案をSlackに送り、担当者が承認・修正する「Deal Agent」などです。関与の低下など案件のリスクを知らせる通知や、商談の特徴と受注率を結びつけるレポートも加わりました。最高製品責任者のNithya Lakshmanan氏は、実行は「自律エージェントが担う」と説明しています。
背景
Outreachは、メールや電話の手順を自動で回すセールスエンゲージメントの代表的な製品です。今回の発表では、自社サイトのドメインもOutreach.aiに移しました。手順を回す道具から、AIエージェントの基盤へ。看板の掛け替えまで含めた方向転換です。
日本の事業責任者にとっての意味
注目したいのは、エージェントを作る主体として「RevOps」を名指ししたことです。海外の営業ツールは、現場の担当者が使う道具であると同時に、運用担当が組み立てる基盤になりつつあります。
日本のBtoB事業では、SFAやMAの設定を情報システム部門か外部ベンダーに任せ、営業側に設計の担い手がいないことが少なくありません。この状態では、エージェントを組める機能があっても誰も組めません。まず、営業の手順を決めて、ツールの設定に落とす役割を社内のだれが持つのかを決めてください。兼任でも構いません。役割の名前が決まれば、どのエージェントから組むかの議論がようやく始められます。




