HubSpotは2026年9月16日、ボストンで開いた年次イベント「UNBOUND 2026」で、秋の製品発表「Fall ‘26 Spotlight」を行いました。同社はこのイベントで、顧客データの「文脈」をAIの土台に据える方針を打ち出しています。
発表の中身
CMSWireとPulse 2.0の報道によると、主な発表は次のとおりです。
- Smart CRM:通話・メール・会議を自動で取り込み、記録を更新します。手入力を減らすのが狙いです。
- Context Home:自社の顧客データがどれだけそろっているかを採点し、AIの働きを弱める欠けを示します。
- Breeze Assistant:自然文の依頼を受け、どの専用エージェントを使うかを決めて作業を割り振ります。提案書やレポート、キャンペーン計画までCRMのデータを使って作ります。
- Marketing Studio:反応の悪いセグメントや未接触のリードなどを示し、その場で施策づくりに移れる画面です。
- 広告連携:ChatGPT Ads、Microsoft Advertisingと連携し、広告から来たリードをCRMで捕捉します。
営業向けには、40以上の購買シグナルを監視する見込み客開拓エージェントの更新、商談記録からCRMの更新案を作る機能なども加わりました。Pulse 2.0によると、HubSpotはMarketing Studioの先行顧客がキャンペーンを81%多く作っていると説明しています。
最高製品技術責任者のDuncan Lennox氏は「顧客はどのAIツールを使うかを考えたいのではなく、成果が欲しいのだ」と語りました(CMSWire)。
背景
今回の発表は、新しいAI機能そのものより「AIが読むデータ」に重心があります。データの充足度を点数で見せる機能を出したこと自体が、その表れです。エージェントをいくら足しても、CRMに入っている記録が薄ければ働かない。HubSpotは、この問題を製品の側から正面に出しました。
日本の事業責任者にとっての意味
SFAやMAを入れたのに、商談の中身は入力されず、更新は月末にまとめて行う。日本のBtoB事業で多い状態です。今回の発表は、この「入力されないCRM」を前提にAIは組めない、という業界の共通認識を示しています。
すぐに手を付けられることがあります。主要な項目について、自社のCRMの記入率を出してみることです。業種、決裁者、次回アクション日、失注理由。この4つだけでも、空欄が何割あるかで、AIに任せられる範囲が見えてきます。自動記録の機能は、その空欄を埋める手段の一つです。ツールを替える前に、どこが空いているかを数字でつかんでください。




