CXプラットフォームのKustomerは2026年10月14日、顧客との会話をすべてAIで分析・採点する新機能「Conversation Intelligence」と「AI QA」を発表しました。抜き取り調査やアンケートに頼らず、全件のデータでCXの意思決定をすることを狙っています。
発表の中身
Conversation Intelligenceは、問い合わせの会話という形の決まっていない文章を、集計できるデータに変える機能です。3つの部品でできています。企業が決めたラベルに振り分ける「Classifiers」、重み付きの基準で点数と理由を返す「Scores」、自然言語の指示で情報を抜き出す「Extractors」です。作ったデータは、リアルタイムの振り分けや自動処理にそのまま使えます。
AI QAは、会話の品質を、企業が決めた基準で全件採点します。基準ごとの重みを変えられ、譲れない基準を満たさなければ即不合格にする設定もあります。点数には理由が付きます。同社は、人の担当者の指導にも、AIエージェントの調整にも使えると説明しています。両機能とも、すでに提供を始めています。
発表によると、多くの企業がアンケートで声を聞けているのは顧客の2〜3%にとどまります。共同創業者でCEOのBrad Birnbaum氏は、多くのCXチームが人員や戦略の大きな判断を、そのわずかな回答に頼っていると指摘しています。
背景
同じ10月14日には、会話分析のCallMinerも新機能を発表しました。同社が引用した「2026 CX Landscape Report」によると、顧客対応に自動化を使う組織は99%に達しています。一方で、自動化の体験を「とても良い」とした組織は24%でした。CXデータを生かし切れていないと答えた組織は68%で、2025年の62%から増えています。
AIエージェントが応対を担うほど、会話の量は増え、人がすべてを読むことはできなくなります。分析と品質管理までAIに任せる流れは、その自然な帰結です。
日本の事業責任者にとっての意味
BtoBのサポート部門では、問い合わせの分類を担当者が手で付け、月末に件数を集計する運用がまだ多く見られます。分類は人によってぶれ、「その他」が膨らみます。解約や不満の兆しが会話の中にあっても、経営の数字には上がってきません。
全件をAIで分類・採点できれば、問い合わせの中身を、解約率や更新率と並べて見られるようになります。ただし、何をラベルにし、何を良い対応と呼ぶかを決めるのは人です。
まず直近1か月の問い合わせを読み、自社にとって意味のある分類を10個程度に絞ってみてください。その分類がSFAの商談や契約のデータとひも付けば、サポートは「コストの部署」から「顧客の変化をいちばん早く知る部署」に変わります。




